偏差値24から2年で司法試験合格に導いた百選の使い方
こんばんは、迷子くんです。
昨日1日ブログのお休みをいただきました( . .)"
今回も「判例百選」についてです。
ぼくの司法試験の勉強のほとんどは判例百選なので、どうしてもこのテーマになるのですが、ぼくの使い方をしっかりと伝えるためにと思って、ご理解いただければと思います。
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さて、前回は
「事実の概要」のどの部分が
「判旨」としてどのように評価されて
どう判決されたのか
これを理解する
のが大事だと書いたと思います。
この点についてもっと深めたいのですが、今回は
判例百選の「解説」
について。
「百選の解説は使えない」
受験時代、ぼくはたまにこんな言葉をよく聞きました。
今の受験生の中で、こういう言葉があるのか分からないですが、ぼくが受験生のときは割とよく聞きました。
「民法Ⅱの〇番の解説は読まない方がいい」
「刑法Ⅰの〇番の解説は判例の立場と違うから混乱するよ」
などなど....
まぁ、確かに読みにくい解説もあります(コッソリ)
紙面上の制限?
結果無価値か行為無価値かなどの立場?
まぁ、色々と要因はあるかと思います。
ただ
「役に立たない」ってことはまずない
と思います。
解説部分もしっかり理解した上で、「でもこれは試験では書く必要がないところだな」と処理するのであれば文句はありません。
ただ、「ぼくの採る立場と違うから」や「実務家の解説だから理論的でないところがある」とか「学者のマイナーな考え方だから」などとして、切り捨てるのは違うとぼくは思います。
正直なところ、「使えない」という人の中で、解説に引用されている参考文献まで当たっている人がどれだけいるでしょうか....
そして、その引用文献に、素敵な記載があれば、これはもうテンション上がるわけですよ笑笑
まぁ、そういう発見もありますが、ここでぼくが言いたいのは
考える力
です。
前回の記事にも描きましたが、司法試験(特に論文)では
「条文に当てはめて終わり」みたいな問題は
出ません(出ても配点は低い)。
勝負所は、
見たことも考えたことも無い問題をどう解きほぐしていくか
です。
「え?どこを出発点にすればいいの?」
「どの条文を手がかりにすればいいの?」
こういう 現場で1から考えさせる問題 が勝負所です。
そしてそのとき、手がかりになるのが判例です。
「似たような構造での事件がなかったっけ?」
「あの判例の理由付け部分とか、ストレートじゃないけど使えそう」
こういう積み重ねがいくつあるかです。
受験生の方の多くは
採点実感
を読んだことがあると思います。
そこに
判例の理解
という趣旨の言葉が何度も何度も出てくることに気づいているでしょうか?
例えば、令和元年度の民事系の採点実感の最後の「法科大学院における今後の学習において望まれる事項」にはこのように書いていました。
「本年も、昨年同様、判例を参考にすることで深い検討を行うことができる問題が出題されているが、法律実務における判例の理解・検討の重要性を再認識していただきたい(判例の採った論理や結論を墨守することを推奨してはいないが,判例と異なる見解を採るのであれば,判例を正確に指摘して批判することが必須である。)。例年指摘されているところであるが,判例を検討する際には,その前提となっている事実関係を基に,その価値判断や論理構造に注意を払いながらより具体的に検討することが重要であり,かつ,様々なケースを想定して判例の射程を考えることで,判例の内容をより的確に捉えることができるものである。このような作業を行うことで,個々の制度についての理解が深まるだけでなく,制度相互間の体系的な理解が定着することに改めて留意していただきたい。」
※信じる信じないは別ですが、ぼくはこの記事を書きながら、「おそらく採点実感にも同様のことは書かれているだろうな」と思い、採点実感を見たところ、上記のようなことが書かれてありましたので、引用しました。
ここでいう「判例の理解」の一助となるのが「解説」部分なのです。
また、どうしても解説が合わない、解説の書いてあることがイマイチ消化できないということであれば、他の判例雑誌の解説を読んでみてください。
実際、ぼくもそうしていましたし、百選に載っている判例に関しては、調査官解説、判例タイムズ、判例時報、重要判例解説あたりの解説も全て読みました。
ぼくは特別頭が良いわけではないので、これらの解説を読んで、やっと「理解した」と実感した判例は10個や20個ではありませんでした。
なんなら、旧版にも同じ判例が載っているなら、旧版の解説にまで当たっていました。
ここまで読んでいただけた方なら分かるかと思いますが、
判例1つ潰すのに丸一日かかる
なんてこともザラでした。
次回は、前回書いた「理解する」をさらに深めたいと思いますが
これらを前提に判例百選(計11冊)を1周したとき、
大学院2年生の夏が終わろうとしていました....